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映画 『SHORT PEACE』 感想。



SHORT PEACE

公開最終日に見てきました。この夏は、TVアニメは
なかなか趣味の合致する作品に出会えませんでしたが、映画の方は、
「風立ちぬ」にこの「SHORT PEACE」に「パシフィック・リム」と
大変です。

大友克洋は私にとって、二番目、いや、三番目かなの絵の師匠。高校時代は
アニメっぽい絵から勝手に卒業して大友の絵を追いかけていた。そして、師匠であると同時に
 セカンドインパクト。この人とか、寺田克也が私の絵での夢をぶち砕いた。
早い話、すごすぎて、、絵を描く事諦めさせられたのだ。
 でも、その後も、みみっちく描いてましたけど、、。
もう、ギターとかもはじめてたし、大学は、アメフトばっかだし、、。
 
 以下は、私の貧弱なオタク力だけで書いているので、パンフetcで誤りがあれば、ごめんなさい。

 大友克洋を中心とした日本屈指の奇才のアニメ製作者が集まってつくった
短篇集です。集まった人間関係も大友を中心としていて、公私共に仲のいい人同士で
作り上げた感が高い。
 で、最近名前を聞かなかったクリエイターがあぁ、こんな仕事最近していたんだと
納得した次第。

 実際のアニメ制作のスタジオは、サンライズが行っているのにびっくり。

 「オープニング」
 ほぼ全編森本晃司の個人フィルムといってもいいでしょう。
少女が未知の世界へ入っていくという呈で、映画の導入部としても最適。
森本晃司と大友も公私ともほぼ友人関係と呼べる間柄で、AKIRAなんかでも、
なかむらたかしあたりとも、ほぼアニメーター同士、こんなの描けるか。そうくるか、
みたいな、画力バトルだったと語っている。
 少女のデザインも動かしやすく、線を減らしたデザインになっており
森本得意の浮かんだような、重力コントロール描写も見られる。

 「九十九」
監督は、森田修平。神風動画というスタジオでフル3DCGを中心にした作品を制作。
和風ティストをうまく、アニメにはめ込んだ、まさにジャパニメーションといった
ティストが持ち味、「KAKURENNBO」が有名だろうか、、?。
(前、youtubeで見た気がするが、もう削除されているかもしれない)
 これ、古道具がどばーっと出てくるのだが、大友の参加した実写ワールドアパートエンド
という作品でも、これに似た演出があった。大友原作では、ないが、アイデアでも
大友が参加している気がする。
 CVには、なんと、山寺。最近習得した(昔から器用な人だが)銭形警部の声に似た
野太い声を発声。
 
 「火要鎮」
 真打ち登場、脚本、監督ともに大友が担当。
これは、大友自身の原作があり、書きだすと、長くなるのだが、
 江口寿史責任編集の「コミックキュー」という短命に終わったがかなり実験的な
漫画雑誌があった。そこに、短編として掲載されていた作品。
 しかし、ほとんど原作の原型はとどめていない。
原作のほうは、その後、「東京、、SOS」に収録されていたと思うが、
江戸時代の長屋で痴話喧嘩が起こり火事が発生するという話。あまりにもカット割りに
凝りすぎて、エンタメとしては話が不明。
 最近、よく世界観という言葉をアニメ、コミックで聞くが、元祖世界観をコントロール
しだしたのが、この大友。その世界観を打ち出すためには、SFにするか、時代物にするのが、
美術から、衣装まですべてコントロールできるわけで、その大友は時代劇をきっちり描くため、
相当資料を集めていたそうである、その一端が、上記の原作であり、この短編作品だと言える。
最初、カットを全く用いず、大店の屋敷内を縁側からパンだけで処理し「MEMORIES」のような展開になるのだが、
 そのあとは、普通のカット割りに。CVでは、大友のお気入り石田太郎(AKIRAの大佐)が参加している。
当時の火消しは、現在と違い、水を用いて消化せず、火の進む方向の建物を予め破壊して
延焼を止め消すというむちゃくちゃな
(ある意味合理的な)消火方法が取られておりその辺がきっちり描かれている。
ただ、この作品もエンタメとしては、よくわからない作品に仕上がっている。
 
 「GAMBO」
 この監督、安藤裕章だけ、一切、知らない人物。「STEAM BOY」などでCGIの担当だったらしい。
戦国時代と鬼とエイリアンを絡めた作品で、ある意味、純粋な意味で作中一番衝撃的だった。
海外のSFで一度、中世の修道院での奇蹟とファーストコンタクトを合わせた作品を読んだことがあるのだが、
SFとしては、ありがちなネタ。
 しかし、鬼のデザインといい、映画としてかなりの衝撃度。
 オリジナルのキャラデザをエヴァの貞本が担当。貞本も絵が変わったなぁ、、と
思って見てたら、スタッフロールでは、作画監督がもう一度クリナップをしているみたいだ。
 ちなみにだが、貞本も、本当は、びっくりするぐらい絵が変わる人だし、
あの安彦にアムロのランバラルに対する名台詞を用いて、「あの人に勝ちたい」とまで
色紙で言わせた画才の持ち主である。
 一番驚いたのが、「王立宇宙軍」から、「ナディア」への変化。「王立、、」のときは、
おそらく、山賀の指示でおそらく、もっとも非アニメ的なキャラデザを強いられたのだと思う。
ほとんど萌え要素のないリイクニのキャラはどうだ。 
それが、ナディアで超アニメ路線に進み、線がものすごく減りエヴァへと至る。途中企画で止まった「蒼きウル」の
数枚のイメージボードがあるのだが、これは、「オネアミス」の路線である。
 で、現在の新劇場版ヱヴァは、もちろん、貞本の絵なのだが、本田雄、鈴木俊二、
井上俊之の絵になっているといっても良い。

 脱線しまくって、すいません。

「武器よさらば」
 監督は、カトキハジメでおそらく初監督、キャラデザは、田中達之(元カナビス)
これは、完全に大友の原作が存在し、初掲載は多分、ヤングマガジン、画集KABAにも
載せられていた。と思う その画集には、プラモデルまで載っていた。
 AKIRA開始か、その直前に当たる作品で、ヤングマガジンは、発刊当初ということで、
かなり思い切った作品を載せていたものである。
 このころは、ほぼアシスタントをおかずに背景まで自分で描いていたと大友は以前語って
いた。
 パワードスーツを着た未来の兵士による思考戦車との戦いを描いた話で、
ほぼ、原作どおりに話は進む。ある意味、原作に一番忠実な作品。
 無人機を使った戦闘の模様が、巧みなカット割で描かれており、
カトキの凝りまくった初演出にしては、
素晴らしいの一言。
 ただ、本職のメカ・デザインは山根も行っているのだが、パワードスーツに関しては、
原作のままのほうが、スッキリしてて、80年台アニメっぽくてよかった気がする。
なんか、線が増えた分、おそらく、CGで処理しているだが、ごちゃごちゃしててよくわからない。
このへんは、センスの問題なので異論があるのは、認める。
 原作では、もう一つ思考戦車ゴンクがどうやって動いているのか、わからなかったのだが、
その辺が、この映画では、見事。
 ただ、原作に忠実すぎたのが、原作を読んでしまっている私には、
キャラ各人の運命、オチまでわかってしまい多少残念だった。
 マルだが、ラストすっぱだかになったのち、ボカシ加工が入っていたのは、笑った。
質量的には、一番エンタメ路線を踏襲作品といえよう。 
   
 最後のエンド・テーマ曲であるが、「夢であいましょう」が絶妙。
これまた、大友が敬愛するキューブリックの「博士の異常な、、」のラストシーン、
核爆発が起こる中、エンド・テーマ"We will meet you again"が流れるシーンを
想起させる。
 おそらく、オマージュではないか、、。

 総合的な感想はね、、、。

 うーん。微妙、、。すごいのは、認める。日本のアニメのトップなのも認める。
そして、 実験的な映画なのだと思う。
で、また、意図的に大友の原作を当てはめたのもどうだったのか、、。
大友の原作が悪いって言っているんじゃなくて、全編オリジナルでもよかったのではないか、、。
資本側からの条件だったのかもしれないが、少し、それで既視感がつきまとった気がする。
 もう一つ、衝撃度はなかった気がする。
 映像的な、衝撃や、映画としてのインパクトは、今から比較すると全編手描きの
「MEMORIES」のほうが確実にあった。また、個人で制作される美大や芸大のCGアニメ作品
のほうが、一発勝負でびっくりすることが多い気がする。
 パースの変化や、背景の処理も、どうせCGでやってんでしょと、
 キャラもトゥーンレンダリングがあるから、、とあまり映像的な驚きは
なかった。
 画面の作り方など、単純に映像としては、春に公開になった新海誠の
「言の葉の庭」のほうが、魅せられた気がする。(こちらは、脚本が、、、でしたが)
 
 すいません、私が、歳を取ってもう感受性がヴィヴィッドな年代でないのが
一番の原因かも知れませんが、、、。 

 これだけ、書かせてもらえれば、満足です。ごめんなさい。

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2013.08.20 10:09 カノンな日々
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